校正と校閲の違いとは? 言葉の意味や校正校閲をする上でのポイントを解説します

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皆さま、こんにちは。

 

皆さんは「校正」と「校閲」の違いが分かりますか?

 

誰でもネットで簡単に情報発信できる時代において、校正・校閲の仕事は重要視されています。

どちらの言葉も同じような意味だと思われやすいですが、行なう作業は異なります。

校正と校閲を一言で説明すると「記事内容にまで踏み込むかどうか」といった違いがあります。

 

  • 校正とは:文字の間違いを正し、ルールに基づき修正を行なうこと
  • 校閲とは:事実関係に基づく間違いを正すために行なう指摘

 

優れた内容の記事やコンテンツでも、誰が見ても明らかな誤字脱字や文章の矛盾や内容の信憑性が欠けていては読者からの信頼を失ってしまいます。

今回は校正と校閲の意味の違いから、実際に校正や校閲の仕事を行なう上でのちょっとしたポイントを解説します。

 

校正とは

 

校正とは、誤字・脱字・衍字(えんじ:ダブりのこと)や英語のスペリングミス、表記割れ、文章の構成や内容に矛盾が起きていないかなどを確認して正しく修正する仕事です。

掲載する媒体によっては表記の統一ルールなどを設けている場合もあるので、文章がそのルールに則っているかの確認も行ないます。

具体的には「突き合わせ」と「赤字照合」に分類されます。

 

「突き合わせ」とは、元の原稿で指摘した内容が最新の原稿に正しく反映されているかどうかを1文字ずつチェックする作業です。

 

この作業を行なう際は、文字単位で確認する意識を持つことである程度見落としを防ぐことができます。

「1文字ずつ点検する」という意識を持つことで校正の精度が高まります。

 

校正時には、つい完成した文章を読みながらチェックしてしまいがちです。

 

例えば「NATOとの合同訓練にも使用されいる」という文章があったとします。

人間の脳は文章単位で読んだ場合、正しい表記に変換して認識することがあります。

 

つまり、自動的に「使用され【て】いる」と補って読んでしまうのです。

このような文章でも、1文字ずつすべてをチェックすることで間違いを拾うことができます。

 

「赤字照合」とは、元の原稿に書き込まれている修正内容が、最新の原稿に正しく反映されているかをチェックする作業のことです。

 

入稿した原稿、初校、再校……と各段階において修正点を確認するため、突き合わせの「文字単位」と異なり「修正点単位」で正していきます。

このような校正作業を繰り返し行うことにより、誤字・脱字・衍字のない原稿が完成します。

 

また、媒体ごとにある統一の表記ルールを正しく理解し、見落としのないようにするのが校正の仕事です。

 

校閲とは

 

校閲とは、文章に書いてある内容の事実確認をする作業です。

事実誤認を防ぐために資料の確認や、無許可の引用や差別につながる表現が無いかなどを確認して修正します。

 

校正は誤字脱字といった文章表記の修正を行なう作業のことでした。

それに対して校閲は、文章の内容を読み込み、事実と相違がないか、情報の正否を精査する作業がメインになります。

 

校閲の作業には大きくわけて2つの作業があります。

工程の一つは「素読み」、

もう一つは「事実確認」です。

 

「素読み」とは原稿の中身を徹底的に読み、文章中の誤字・脱字・衍字や表現の矛盾などの間違いを探す作業のことを示します。

語尾の表現や漢字の使い方は統一されているのか、前後の文章のつながりは正しいかを緻密に確認します。

 

素読みをさらに掘り下げ、実際に原稿に書かれていること(人名や地名、組織名、固有名詞、肩書、データ類など)が正しいのかを調べて確認する仕事が「事実確認」です。

 

これらの作業を経て校閲作業は行なわれています。

 

校正のポイント

 

数字

 

例えば、万を超える数字は「15000」とせず、「1万5000」などと「万」を入れます。

電話番号や金額、商品スペックやデータなどの数字の間違いは特に避けたいものです。
見落とすことで大きなクレームにもつながります。

ゼロが多い数字「00000444」などは、左から「ゼロ、ゼロ……」と数えずに、ゼロが5つ、4が4つと確認すれば見落としが防げます。

 

誤字・誤変換

 

キーボードで文章を入力することが多いため、単純な打ち間違いが起こりやすいです。

チェックをする際に、誤字や誤変換はあるものだと思って目を通すようにしましょう。

 

表記割れ

 

表記割れ(表記ゆれ、ともいわれるようです)とは、同じ表現が異なる文字表記をされていることです。

例えば文章中で自社を指す言葉として「当社」や「弊社」が混在している場合、基本的にはどちらかに統一しなければなりません

読者が読みにくいと感じてしまう混乱を避ける必要があります。

 

他にも、文字表記において2通り以上の書き方をされる場合がありますので注意が必要です。

 

・送り仮名による表記割れ
例)受け付け 受付

・文字の種類による表記割れ
例)そば ソバ 蕎麦

・漢字による表記割れ
例)会う 合う

 

しかしながら、これらについても、マスコミでは明確に使い分けが決まっています。

 

同音異義語

 

同音異義語には、似たような意味の語句や見慣れているものが多いため、違和感なく読み流してしまうことがあります。

 

例)特徴と特長

例)要項と要綱 など

 

事前に以下のような対策をしておくことが望ましいです。

 

  1. 間違えやすい語句をリスト化しておく
  2. 分かりやすく分類しておく
  3. 原稿作成者と修正者側で共有しておく

 

校閲のポイント

 

校閲では、文章の内容と事実に相違がないかを確認することが主な作業になります。

また不適切表現や差別的表現がないか、文章を読み込んだ上で判断します。

 

固有名詞の誤り

 

人名、企業名、建物名、商品名、地名などの固有名詞の誤りをチェックします。

例えば「キヤノン株式会社」の場合「キャノン」と発音しますが表記は「キヤノン」となります。

 

あとは、間違えやすい企業名として「ビックカメラ」があります。

よく「ビッグカメラ」となっていることがありますので気を付けるべきポイントです。

 

また、人名の漢字表記には旧字体を使用することもあります。

以下を正確に確認するようにしましょう。

 

  • 漢字表記なのか、平仮名表記なのか
  • アルファベット表記なのか、カタカナ表記なのか
  • 大文字なのか、小文字なのか

 

ただし、マスコミ業界では、旧字を使う人物は決められています。

それ以外は基本的に新字を使うというルールがあります。

例:眞子さま

 

歴史的事実や因果関係

 

歴史的事実や因果関係についての記述がある場合は、事実と異なっていないか調べます。

引用がされている場合、典拠を確認して同じ文章が正確に記述されているかチェックします。

 

例)2019年、令和に改元 など

これがもし「2018年」などとなっていたら間違いです。

 

内容の矛盾

 

文章が進むにつれて主張が変わっていたり、登場人物の設定がバラバラになっていたりする場合、記事内容の信憑性を損なうことになりますので注意が必要です。

 

差別表現のチェック

 

明確な差別語だけでなく、表現が差別的になっていることがあります。

社会的にも人権意識が変わってきており、セクシャルマイノリティーなど多角的な目線で校閲をする必要があります。

 

校正・校閲のコツ

 

以下の3点を心がけることで、校正・校閲の精度を上げることができます。

 

①出力してチェックする

文章をWordなどで書いている場合、紙に出力してチェックするなど、別の目線で見たほうが誤りに気づきやすいといわれています。

②第三者の目線

記事を作成した本人が校正・校閲することは難易度が高く、できれば自分以外の目線から見てもらう方がよいです。
自分の書いた文章は客観的に見ることが難しいので、おかしな言い回しや間違いに気づきにくいためです。

③時間を置いてみる

自分で執筆した記事を校正・校閲する必要がある場合、執筆してから時間を空けたほうが客観的な目線で見ることができます。

 

まとめ

 

今回は「校正」と「校閲」について解説しました。

 

文章表現には必ずしも正解はありません。

校正ができていない誤字脱字衍字の多い記事は読者にとって読みにくく、サイトであればPV数が下がる原因になります。

校閲で事実確認をせずに誤った情報を発信してしまえば、媒体全体の信頼性を失うことになります。

 

書かれた文章の表現が適切であるか判断していくのが校正・校閲の仕事です。

校正・校閲がしっかり行われた記事は品質が上がり、読者に事実が正確に伝わる信頼性のある記事となります。

 

文章の校正や校閲はルールは多いですが、勉強すれば誰でもできる技術です。

ご参考になれば幸いです。

 

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